令和5年度 宮川 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - - 11 24 38 80 94 258 431 236
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 年齢は入院日時の満年齢としています。
 患者数が10人未満の項目は、実数字ではなく”ー”で表記しています。

解説:
 当院の退院患者を10歳刻みの年齢階級別にみると、70歳以上が8割近くを占めています。
 特に80歳~89歳は全体で最も多く、これは社会の高齢化が進む中で医療を受ける人口の年齢が高くなっていることに起因するものと考えられます。
 また、当院は地域医療への貢献を理念とし、川崎大師の地で110年以上にわたり医療を提供してきた歴史がありますが、川崎市全体での老年人口の割合が20.5%であるのに対し川崎区の老年人口の割合は22.6%と高いこと(※1)や、特に当院の立地する地が川崎大師平間寺の門前町として古くから栄えた地であることから、人口の流出が少なく高齢化が進んでいることも要因として考えられます。
 (※1:令和4年川崎市人口統計調査)
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 40 41.8 20.6 7.50% 85.3
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 重症度等他の病院・診療所の病棟からの転院以外 28 25.82 17.38 7.14% 82.29
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 20 28.2 13.52 0.00% 81.6
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 14 2 2.03 0.00% 54.07
0400801499x012 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり 重症度等A-DROP スコア2 14 38.57 18.22 7.14% 86.71
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 最終的に当院を退院した段階で症例数としてカウントしています。
 転院とは、当院を退院し、直接他の病院へ移られた患者様をいいます。

解説:
 内科では肺炎などの呼吸器系の疾患や、心不全などの循環器系の疾患の患者様が多い傾向にあります。
 特に最も多い誤嚥性肺炎は、高齢になり嚥下機能が低下すると発症する可能性がありますが、治るまで日数がかかる傾向にあります。
 高齢の患者様が多いことからこれらの疾患は重症化しやすく、重症化するほど合併症や再発のリスクも高くなります。
 当院では合併症の治療や再発の予防にも努め、適切な退院支援や受入施設との連携も行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 51 3.73 2.61 0.00% 68.02
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 30 6.6 7.58 0.00% 68.9
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 25 6.88 5.64 0.00% 65.56
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 20 6.7 4.55 0.00% 69.75
060035xx99x4xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 - 4あり 17 3 4.42 0.00% 72.06
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 最終的に当院を退院した段階で症例数としてカウントしています。
 転院とは、当院を退院し、直接他の病院へ移られた患者様をいいます。

解説:
 外科で最も多いのは大腸ポリープなどの内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を目的に入院されるケースです。
 外来や検診などで腫瘍が疑われた患者様の内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を短期入院で行っています。
 2番目に多い大腸憩室症は、腸の腸管内壁の一部が袋状に腸壁外に突出した憩室が生じている状態のことをいい、無症候なことが多い身近な疾患ではありますが、憩室に炎症をおこして憩室炎になると腹痛の原因となったり、出血を起こしうる可能性もあります。
 4番目に多い鼠径ヘルニアや5番目に多い結腸の悪性腫瘍なども含め、当院では消化管の疾患の症例を多く扱っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 30 46.37 25.5 0.00% 85.8
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 26 35.92 19.34 0.00% 81.85
160990xx99x0xx 多部位外傷 手術なし 手術・処置等2なし 11 35.82 17.8 0.00% 84.27
070343xx99x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2なし - - 13.92 - -
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし - - 19.27 - -
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 最終的に当院を退院した段階で症例数としてカウントしています。
 転院とは、当院を退院し、直接他の病院へ移られた患者様をいいます。
 患者数が10人未満の項目は、実数字ではなく“‐”で表記しています。

解説:
 整形外科で多いのは股関節・大腿近位の骨折の患者様で、高齢者や特に女性に好発します。
 34歳~35歳を境にどんな人でも骨密度が低下していきま、骨密度の基準が一定レベルまで低下すると骨粗鬆症と診断されます。
 その結果として日常生活の中で大腿部の骨折や圧迫骨折などのリスクが高まります。
 大腿部の骨折は場合によっては手術が必要になるだけでなく、その後寝たきりなどの後遺症のリスクも高い疾患でもあります。
 次点では胸腰椎の骨折損傷の患者様が多くなっています。当院では、予防のためにも定期的に骨密度検査を受ける事を推奨しております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 8
大腸癌 - - - - - 42 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
5大がんと診断された患者様の延患者数を集計しており、同一の患者様が複数回入院された場合もそれぞれ計上しています。
 「初発」とは、当院で初めてがんの診断・初回治療を実施した場合を指し、当院または他院で初回治療が終了した以降の診療を行った場合を「再発」として集計しています。
 がんの病期分類は、がんの進行度によりStageⅠ~Ⅳまであり、StageⅣが最も進行していることになります。
 患者数が10人未満の項目は、実数字ではなく“‐”で表記しています。

解説:
 再発の患者数としては大腸癌が多く、定期的な内視鏡検査の実施や外科的切除後の予防的な化学療法も当院で行うことができます。
 当院は他医療機関との連携により手術後・治療後の経過観察や在宅復帰を目的とした患者様を多く受け入れているため、多くが再発の患者様となっています。
 また、当院は緩和ケア病棟を有しており、治療が困難とされたがん患者様の苦痛を和らげる緩和ケアの体制を整えております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 50 30.16 81.58
重症 19 31.63 85.95
超重症 15 38.47 85.93
不明 - - -
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 市中肺炎とは、日常生活を送っている中で発症した肺炎のことです。
 肺の間質と呼ばれる部分を中心に炎症が起こる間質性肺炎や、誤嚥性肺炎は除外しています。
 患者数が10人未満の項目は、実数字ではなく“‐”で表記しています。

解説:
 肺炎は高齢者に多発し、免疫力の低下により発症・重症化することの多い疾患です。
 一般的には重症度が上がるにつれ治療に要する日数も長くなる傾向にあり、 当院のデータからもそのことが読み取れます。
 患者数としては中等症が最も多くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 18 26.94 78.67 5.56%
その他 4 15.25 65.75 0.00%
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 脳梗塞の診断を受けた患者様の延患者数を集計しており、同一の患者様も1入院ごとに計上しています。
 
解説:
 患者数としては発症から3日以内に入院となった患者様が多い傾向となっており、脳梗塞の治療は重症化や後遺症を減らすためにも一時も早く開始することが非常に重要です。
 当院では脳梗塞の急性期治療後に積極的にリハビリテーションを行うことのできる体制の確保に努めております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 33 1.09 1.7 0.00% 70.15
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 20 0.55 2.8 0.00% 65.75
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 17 0.94 4.82 0.00% 67.41
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 15 1.73 21.67 0.00% 81.67
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 14 8.21 54.93 7.14% 84.79
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 各科上位5位まで、手術方式の点数表コード(Kコード)別に集計しています。
 転院とは、当院を退院し、直接他の病院へ移られた患者様をいいます。

解説:
 検診などで腫瘍が疑われた患者様の内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を短期入院で行っています。
 大腸ポリープは長期間放置するとがんのリスクが高くなり、早期に発見することができれば早期完治も可能となります。
 次点に多い腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術や内視鏡的胆道ステント留置術も含め、外科では消化器系の手術が多くを占めています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 25 5.08 35.44 0.00% 81.56
K0811 人工骨頭挿入術 - - - - -
K0462 骨折観血的手術 - - - - -
K0463 骨折観血的手術 - - - - -
K0821 人工関節置換術 - - - - -
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 各科上位5位まで、手術方式の点数表コード(Kコード)別に集計しています。
 転院とは、当院を退院し、直接他の病院へ移られた患者様をいいます。
 患者数が10人未満の項目は、実数字ではなく“‐”で表記しています。

解説:
 骨折観血的手術を最も多く実施しており、中でも股関節の付け根部分に位置する大腿骨頚部は高齢者に多発しやすい部位でもあります。
 当院では基礎疾患である骨粗鬆症の治療や術後リハビリテーションも積極的に図り、早期治癒・再発予防にも努めています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 13 1.50%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。
 患者数が10人未満の項目は、実数字ではなく“‐”で表記しています。

解説:
 医療の質を高める為に発症数を抑えることが求められる代表的な疾患の発生率を示したものです。
 入院中は免疫力が低下していることもあり、細菌による感染症の発症や手術・処置等による合併症を発症することがあります。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
55 48 87.27%
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。

解説:
周術期の弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置の使用、抗凝固薬療法等の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、急性肺血栓塞栓症の発生率を下げることにつながると考えられています。
当院では肺血栓塞栓症の予防のため、リスクレベルに応じて予防の管理や積極的なリハビリを行い肺血栓塞栓症の予防に取り組んでいます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
164 161 98.17%
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。

解説:
血液培養は診断の精度を高めるため、2セット以上行うことが推奨されています。
令和5年度の当院の2セット実施率はほぼ10割となっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
173 120 69.36%
定義:
 令和5年4月~令和6年3月に退院された患者様が対象です。

解説:
近年、幅広い菌腫に効果のある広域スペクトル抗菌薬に耐性のある抗菌薬耐性菌の出現により、感染症治療において細菌培養検査を実施し適切な抗菌薬の選択をすることが重要視されています。
当院でもAST(抗菌薬適正使用支援チーム)を組織し、抗菌薬の適正使用や抗菌薬使用時の細菌培養検査を推進する取組みをおこなっており、令和5年度の広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は約7割となっています。
更新履歴
2024年9月30日
令和6年度宮川病院病院指標を公開しました。